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緊急時訪問看護加算とは【介護保険】単位数と24時間対応体制の作り方

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緊急時訪問看護加算は、24時間連絡が取れて、必要なときに緊急訪問できる体制を評価する、介護保険の月単位の加算です。訪問看護ステーションの場合、加算(Ⅰ)は月600単位、加算(Ⅱ)は月574単位です。届出のハードルは「体制表が書けるか」に尽きるので、この記事では単位数の説明よりも、オンコール体制のつくり方に紙幅を割きます。

この記事でわかること

  • 緊急時訪問看護加算(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数と要件の違い(令和6年度改定で2区分になりました)
  • 看護師以外の職員が夜間の電話を受けてよい条件(令和6年度改定で見直されました)
  • オンコール担当の割り振りと、体制表のつくり方の実務
  • 利用者への説明と同意、届出までの流れ

緊急時訪問看護加算はどんな加算か

利用者や家族から「夜中に状態が変わった」「管が抜けた」と連絡が来たとき、電話で相談に乗り、必要なら計画外の緊急訪問に行く。この体制を持っているステーションを評価するのが緊急時訪問看護加算です。介護保険の訪問看護費に、1か月につき1回加算されます。

体制への評価なので、その月に実際に緊急訪問が発生したかどうかにかかわらず、体制を整えて届け出ていれば算定できます。逆にいえば、算定するからには「電話が必ず誰かにつながる」状態を毎晩・毎週末つくり続けることが仕事になります。

単位数と(Ⅰ)(Ⅱ)の違い

令和6年度介護報酬改定で、従来の緊急時訪問看護加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)の2区分になりました。厚生労働省の改定資料では、単位数は次のとおりです。

区分 訪問看護ステーション 病院又は診療所
緊急時訪問看護加算(Ⅰ) 600単位/月 325単位/月
緊急時訪問看護加算(Ⅱ) 574単位/月 315単位/月

要件の違いはシンプルです。

  • (Ⅱ): 利用者・家族から電話等で看護に関する意見を求められた場合に、常時対応できる体制があること
  • (Ⅰ): (Ⅱ)の体制に加えて、緊急時訪問における看護業務の負担の軽減に資する十分な業務管理等の体制が整備されていること

緊急時訪問看護加算(Ⅰ)(Ⅱ)の要件と単位数の分岐

(Ⅰ)の「負担軽減の体制」として具体的に何が求められるかは、留意事項通知と各指定権者の届出様式で確認してください。夜間対応した職員の勤務間隔の確保や、オンコール手当の整備など、勤務環境への配慮を体制として示せるかがポイントになります。判断に迷う場合は、届出前に都道府県・市町村(指定権者)に確認するのが確実です。

24時間連絡体制のつくり方 — オンコール担当の割り振り

体制づくりの中心は、「誰が電話を受け、誰が訪問に出るか」を切れ目なく決めておくことです。実務では次の3点を文書にします。

1. オンコール表(当番表)を月単位で作る

夜間・休日の第1当番と、第1当番が対応中・圏外のときのバックアップ(第2当番)を決めます。常勤看護師が少ないステーションほど、特定の1人に夜間対応が偏りがちです。偏りは離職リスクに直結するので、当番回数は月単位で集計して均す運用にします。

2. 連絡手段を一本化する

利用者に案内する緊急連絡先は1つの番号に固定し、当番交代時に転送先を切り替える方式が管理しやすいです。個人の携帯番号を直接案内すると、担当変更のたびに利用者への再案内が必要になります。

3. 緊急訪問の判断基準を決めておく

「電話で助言して終わるケース」「翌朝の定期訪問に繰り上げるケース」「いま訪問するケース」の判断目安と、主治医への連絡ルールを手順書にしておくと、当番による判断のばらつきが減ります。

看護師以外の職員が電話を受けてよい条件

令和6年度改定で、24時間対応体制の連絡相談について、体制が確保されていれば保健師・看護師以外の職員でも電話を受けられることが明確になりました。厚生労働省の改定資料では、次のすべてを満たすことが条件とされています。

  • ア 看護師等以外の職員が電話対応する際のマニュアルが整備されていること
  • イ 緊急訪問の必要性の判断を保健師・看護師が速やかに行える連絡体制と、緊急訪問が可能な体制が整備されていること
  • ウ 管理者が、連絡相談を担当する職員の勤務体制・勤務状況を明らかにすること
  • エ 看護師等以外の職員は、連絡・相談を受けたら保健師・看護師へ報告すること。報告を受けた保健師・看護師は内容を訪問看護記録書に記録すること
  • オ ア〜エについて、利用者・家族に説明し、同意を得ること
  • カ 連絡相談を担当する看護師等以外の職員について届け出ること

夜間の電話から緊急訪問までの流れ

事務職員が一次対応できるようになると、看護師の当番負担は目に見えて軽くなります。ただし条件のとおり、一次対応はあくまで「受けて、つなぐ」までです。緊急訪問の要否を判断するのは保健師・看護師である点は崩せません。

利用者の同意の取り方

緊急時訪問看護加算は、利用者への説明と同意を前提に運用します。実務では次の2つを押さえてください。

  • 加算の算定について、重要事項説明書や利用契約時の説明で、緊急時の連絡先・対応の内容とあわせて説明し、同意の記録を残す
  • 看護師以外の職員が電話を受ける運用にする場合は、上記オのとおり、その運用自体への説明と同意が別途必要

同意書の様式や記録の残し方は保険者・指定権者によって運用が異なるため、届出時にあわせて確認するのが安全です。

届出から算定開始まで

体制が整ったら、指定権者(都道府県・市町村)へ体制の届出を行います。届出様式・提出期限・算定開始月の取り扱いは自治体ごとに案内が分かれているため、必ず自分の指定権者の案内で確認してください。

なお、加算の届出やオンコール体制の話は、同じく体制づくりが論点になる処遇改善加算の記事でも扱っています。人員の少ないステーションが体制系の加算をどう積み上げるかは、あわせて検討すると設計しやすくなります。

まず確認したいこと

  • 自分のステーションは緊急時訪問看護加算を届け出ているか。(Ⅰ)(Ⅱ)どちらか
  • オンコール表に第2当番(バックアップ)まで入っているか
  • 当番回数が特定の看護師に偏っていないか(月単位で集計しているか)
  • 事務職員による一次対応を入れる場合、ア〜カの条件(マニュアル・報告・記録・同意・届出)を満たせるか
  • 重要事項説明書に緊急時対応と加算の説明が入っており、同意の記録が残っているか
  • (Ⅰ)への切り替えを狙う場合、負担軽減の体制として何を示すか、指定権者に確認したか

出典

資料 発信元 文書・掲載日 確認日
令和6年度介護報酬改定における改定事項について 厚生労働省老健局 令和6年度介護報酬改定資料 2026-08-14
令和6年度介護報酬改定について(告示・通知掲載ページ) 厚生労働省 2026-08-14

※単位数・要件は上記時点の情報です。実際の算定可否・届出手続き・様式は、告示・留意事項通知と、指定権者(都道府県・市町村)の案内が優先します。個別の判断は指定権者にご確認ください。

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執筆

クラシテク編集部

訪問看護の制度・加算・現場実務について、厚生労働省および地方厚生(支)局の一次資料にもとづいて解説しています。記事内の数値・要件は掲載時点のものです。個別の適用判断は管轄の地方厚生(支)局にご確認ください。