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長時間訪問看護加算とは【医療保険】90分超の対象者と週の回数制限

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長時間訪問看護加算は、医療保険の訪問看護で、1回の訪問が90分を超えたときに算定できる加算です。金額は1回5,200円。ただし誰にでも算定できるわけではなく、対象者は「長時間の訪問を要する者」として厚生労働大臣が定めた3つの類型に限られ、回数も原則週1日までです。この記事では、対象者の切り分けと回数制限、記録に残す内容を整理します。

この記事でわかること

  • 長時間訪問看護加算は1回の訪問が90分を超えた場合に、5,200円を加算します
  • 対象者は3類型です(15歳未満の超重症児・準超重症児/別表第8に掲げる者/特別訪問看護指示書等による訪問看護を受けている者)
  • 原則週1日まで、15歳未満の一部の児は週3日まで算定できます
  • 訪問記録には時間と、長時間を要した状態・内容を残します

どんなときに算定できる加算か

医療保険の訪問看護は、1回の訪問時間に標準的な幅があります。しかし、気管カニューレや人工呼吸器の管理、処置の多い利用者、看取りが近い時期などでは、どうしても1回の訪問が長くなります。

長時間訪問看護加算は、こうした長時間の訪問を要する利用者に対して、1回の指定訪問看護の時間が90分を超えた場合に、訪問看護基本療養費等の所定額に5,200円を加算するものです(訪問看護ステーションの場合)。

根拠となる告示には、次のように定められています。

別に厚生労働大臣が定める長時間の訪問を要する者に対し、訪問看護ステーションの看護師等が、長時間にわたる指定訪問看護を行った場合には、長時間訪問看護加算として、週1日(別に厚生労働大臣が定める者の場合にあっては週3日)を限度として、5,200円を所定額に加算する。 ―― 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年厚生労働省告示第67号)

対象者は3類型 — 別表第7ではなく「別表第8+特別指示書」の世界

対象となる「長時間の訪問を要する者」は、基準告示で次の3類型と定められています。

  1. 15歳未満の超重症児又は準超重症児(判定スコア10以上)
  2. 特掲診療料の施設基準等・別表第8に掲げる者
  3. 特別訪問看護指示書又は精神科特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者

長時間訪問看護加算の対象者3類型と週の回数制限

ここで混同しやすいのが別表第7と別表第8です。別表第7は末期の悪性腫瘍など「医療保険での訪問看護の対象になる疾病」の一覧で、別表第8は在宅で特定の医療管理・処置を受けている「状態」の一覧です。長時間訪問看護加算の対象に入っているのは別表第8のほうです。自分の利用者がどちらに該当するかは、医療保険と介護保険の使い分け・別表7の記事で整理しています。

別表第8に掲げる具体的な状態の一覧は、「特掲診療料の施設基準等」の告示本文で確認してください。該当判断に迷う場合は、管轄の地方厚生(支)局に確認するのが確実です。

週の回数制限 — 原則週1日、週3日まで広がるのは15歳未満の一部

回数制限は次のとおりです。

対象者 限度
対象3類型(原則) 週1日
15歳未満の超重症児・準超重症児 週3日
15歳未満の小児で、別表第8に掲げる者 週3日

週3日まで算定できるのは15歳未満の2類型だけです。成人の別表第8該当者や、特別訪問看護指示書の期間中の利用者は、90分超の訪問が週に複数回あっても、加算を算定できるのは週1日までです。

なお、加算を算定した日以外の日に平均的な時間を超える訪問を行った場合は、その分を特別の利用料(差額)として利用者から受け取れる取り扱いがあります。長時間の訪問が常態化している利用者では、加算と利用料の設計をセットで考えることになります。利用料の設定・説明は運営規程と重要事項説明書に反映し、事前に利用者の同意を得てください。

長時間訪問看護加算の算定チェックの流れ

記録に残す内容

レセプトの摘要欄や実施記録の細かな記載ルールは審査側の運用によりますが、実務として最低限、次を訪問看護記録書に残します。

  • 訪問の開始時刻と終了時刻(90分超であることが記録上わかること)
  • 対象者のどの類型に該当するかの根拠(別表第8の該当状態、特別訪問看護指示書の交付日・指示期間など)
  • 長時間を要した理由となる状態・実施内容(処置・観察・家族指導など、時間を要した中身)

とくに特別訪問看護指示書の期間中に算定する場合、指示書の有効期間と訪問日の対応が崩れていると返戻の原因になります。指示書の交付要件については特別訪問看護指示書の記事にまとめています。

令和8年度改定での注意

令和8年度診療報酬改定で、訪問看護療養費の体系には変更が入っています。算定している療養費の区分によっては長時間訪問看護加算の取り扱いが異なる場合があるため、自ステーションの届出区分でこの加算を算定できるかは、最新の告示・留意事項通知と管轄の地方厚生(支)局の案内で確認してください。

まず確認したいこと

  • 90分を超える訪問が発生している利用者をリストアップしたか
  • その利用者は対象3類型(15歳未満の超重症児等/別表第8/特別指示書)のどれに該当するか確認したか
  • 週1日と週3日、どちらの限度が適用されるか確認したか
  • 記録に開始・終了時刻と、長時間を要した状態・内容が残っているか
  • 加算を算定しない日の長時間訪問について、特別の利用料の設定・同意があるか
  • 自ステーションの療養費の届出区分でこの加算を算定できるか、管轄の地方厚生(支)局に確認したか

出典

資料 発信元 文書・掲載日 確認日
訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年厚生労働省告示第67号) 厚生労働省 平成20年3月5日(最終改正反映版) 2026-08-14
訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等(平成18年厚生労働省告示第103号) 厚生労働省 平成18年3月6日(最終改正反映版) 2026-08-14
訪問看護療養費の取扱いの理解のために(令和3年度) 厚生労働省近畿厚生局 令和3年度 2026-08-14

※金額・対象者・回数制限は上記時点の情報です。実際の算定可否は最新の告示・通知と、管轄の地方厚生(支)局の案内が優先します。個別の判断は管轄の地方厚生(支)局にご確認ください。

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執筆

クラシテク編集部

訪問看護の制度・加算・現場実務について、厚生労働省および地方厚生(支)局の一次資料にもとづいて解説しています。記事内の数値・要件は掲載時点のものです。個別の適用判断は管轄の地方厚生(支)局にご確認ください。